(財)天風会 鎌倉賛助会

活動のご報告   

 12月12日(土)は穏やかな気候の中、鎌倉講習会が行われました。
 今回の活動報告は、星孝子さんの前講です。天風会が、ご自身の人生の転換点となった様子や気持ちが素直に語られています。ぜひ、お読み下さい。

 鎌倉講習会前講                        平成21年12月12日   星 孝子
 皆さんこんにちは。  湯河原から参りました、星孝子でございます。
今日は「天風哲学に巡り会って」と言う事で、お話させていただきたいと思います。どうぞよろしくおねがいいたします。

 私の入会は平成19年10月でございます。
入会の動機は2つありました。
直接のきっかけは[膝の半月板損傷]で手術をし、落ちこんでいた時に、天風先生の[盛大な人生][成功の実現][心に成功の炎を]等読ませていただいて、とても感動したからです。マイナスの部分、消極的な生き方の所では、私の事が書かれているのではないかと吃驚しました。
2つ目の動機は、私は若いときから、いつも何かを捜し求めていました。
ある時、 [おのれこそ おのれのよるべ おのれをおきて誰によるべぞ よきととのえしおのれこそ まこと得難き よるべぞを得ん](*1) という言葉に出会いました。 おのれをととのえる とは何をすればよいのだろう?いろんな会にも行ってみましたが、ぴったりくるところに巡り合えませんでした。 長い間、本当に長い間、求め続けていましたので、天風先生の御本に巡り合った時には、「これだ!」と思いました。

 鎌倉まで通えるかしら?と、おそるおそる参加した日曜行修会は素晴らしく、妙本寺での大久保代表の朝礼では、あの厳粛な雰囲気に、身の引き締まる思いがしました。そして身も心も洗われていくような清々しさを、今も感じ続けています。また曾根直子さんは、いつもさり気無く、私の膝を気にかけてくださり「無理しないでね」と言いながら、体操を教えて下さり、本当に嬉しくありがたかったです。そして1日の行修が終わって帰る頃には、皆さんの元気をいただいて、すっかり元気になっている自分が、はっきりわかりました。
 鎌倉まで通えるかしら等と言っている場合ではない! 鎌倉へ行って元気に
なるのだと、鎌倉行きが楽しみになりました。
 そしてこれからは、此処で教えていただく事を、真剣に実践していけば良いのだと、やっと進むべき道がみつかり、本当に安らかな思いになりました。
それからは、講習会、日曜行修会、体操教室と月3回は休まず参加しました。

 そしてその都度感動し、天風哲学の素晴らしさがわかってくれば来るほど、どうして私は長い間探しもとめていたのに、60歳すぎまでめぐりあえなかったんだろう? お若い方が大勢学んでいらっしゃるのを見るにつけ私はどうして?と苦労厳禁を教えていただく傍から、しっかり過去苦労をしていました。

 ある時先輩に、遅すぎた出会いの悔しさを話しましたら、その方は「もし早い時期に天風会を知ったとしても、その時は来られなかったんじゃない? 来られるようになった今、巡り合ってちょうど良かったのよ」と話してくださいました。たしかに大変な時期がずっと続いていた事を思い出しました。
それは、子育てと同時に、3人の親の介護と私の体調不良が重なったからです。

最初の介護は、実の父親でした。 
私が2人目の子供を出産して1ヶ月が経った頃、父は胃がんの再発で微熱が出るようになりました。父は再発したら家で最期を迎えたいと決めていましたので、そこから乳飲み子をかかえての介護が始まりました。今なら心身統一法を学んでいますので、明るくほがらかに介護できたと思うのですが、そのときは毎日死を見つめての介護に、悲しみと不安の中に埋没していました。終わってみれば5ヶ月の事でしたが、私の心は病み、体は糖尿病になっていました。

 お医者さんからは、食事療法の本を買って食事療法をするように指示されました。糖尿病とは、合併症が怖く、失明するとか足を切断する様なこともあると聞いていましたので、その時の私は、かなり暗い顔をしていたと思うのですが、赤ん坊が私の顔を見て無邪気に笑うのです。その笑顔にどんなに勇気付けられたでしょう。

 その時、生後6ヶ月になる可愛い子供が居るのに、今失明するわけにはいかない! 今足を切断するわけにはいかない! 絶対治さなければと一大決心をしました。それからは量りを買い、本と首っ引きで、食事毎にご飯何gお魚何gと量りながら徹底しました。1ヶ月後の検診の時にはみごとマイナスになり、その後も3ヶ月続けてマイナスの数値を出し糖尿病を克服しました。

 2度目の介護は育ての父でした。実家のある福島県の会津の病院に入院していて、そこへ何度か通い、最期は病院に泊まり込みで見送る事ができました。

 その3年後に、父亡き後1人暮らしをしていた育ての母が、湯河原に出て来ました。当時77歳の母は手の「しびれ」を訴えていて、病院の検査の結果は「変形性頚椎症」からくる「しびれ」で、首の危険なところなので手術も出来ず、「しびれ」に効く薬も無いとの事でした。

 母はとんでもない奇病にとりつかれてしまったと思い込み、「もうお盆まで生きていないわ」、「もうお正月まで生きていないわ」と毎日嘆いていました。
 ところが、母が来て2年目の時に、町の癌検診で私の乳癌がみつかりました。幸い初期の段階で見つけていただきましたので、四分の一の切除ですみ、抗癌剤も使わずにすみました。ただ4分の3を残しているだけに、「再発の可能性は大きいよ」と主治医のお話でした。けど、私を頼りにはるばる会津から出て来た母を残して、私が再発して先に逝くわけにはいかない。何としても母を見送ってからでないと、死ぬわけにはいかない。だから再発は絶対しない!と固く心に決めて退院してまいりました。ちょうど8月の暑い最中の退院で、急に家の事をやり出したせいか、目眩がしたり退院してからの方が大変でした。

 そんな時本当に偶然に、天風先生の「運命を拓く」の本に巡り合い、夢中で何度も何度もくりかえし読みました。そして「力の誦句」の本当の意味もわからないまま、毎日「力の誦句」にすがり、「力の誦句」に助けていただきました。
それから10年余りが経ちますが、本当に幸運にも再発もせず、生かしていただいておりますことが、何よりも感謝でございます。

そしてこの学びが、母にはぎりぎりのところで間に合って、湯河原に来て14年が経った今年、91歳の母を沢山の感謝の中で見送ることができました。

 このように私の人生はいつも病気がちで、晴れた日は少なかったような気がします。でも其の事も「天風哲学」を学んで納得できました。

 それは私のマイナス思考と消極的な生きかたの結果であることがわかったからです。

 取り越し苦労は大の得意でしたし、悩むことは○だと思っていましたから。
 ある時講義の中で「皆さんはそれぞれ願っていた通りの今があるのですよ」と、おっしゃいました。その時、私は「より幸せになることだけを願っていたんだけど〜」と不満でした。

でもこの原稿を書きながら気づかせていただきました。
糖尿病のときには生後6ヶ月の子供が居るのに、重症になるわけにはいかない。絶対治すんだ!と強く思いましたし、乳癌の時には母を置いて再発するわけにはいかないと、強く願いました。

 もしかしたらその願いがかなって、今の私があるのではないだろうかと思い至りました。そして長い間私は1人で頑張って生きてきたと思っておりましたが、もちろんまわりの大勢の方のお蔭様ではありますが、その前に大宇宙の大いなる生命に生かされて生きてきた私なのだと、改めて実感することができました。

 そして天風先生の教えて下さる「心の態度が人生をつくる」事を体験してきたことに気づきました。今まで長い間悩んでいたことが無駄ではなかった。

 60歳過ぎて「天風哲学」に巡り合ったことに意味があったのだと、今は素直に肯定できます。
思えば鎌倉まで通えるかしらと不安な気持ちで参加した時から2年が経った今、入会前の私では考えられない事がおこっています。

 以前の私でしたら「ひざを悪くした歩けない私」と思い込み、せいぜい湯河原と小田原あたりをうろうろする事しか出来ないはずでした。ところが昨年は東京の夏期修練会に、今年は多武峰に行かせていただきました。しかも10月には京都秋期瞑想補成行修会の比叡山にまで、参加させていただく事ができました。「病は忘れる事によって治る」と教えていただきますが、天風哲学を学びたい一心で膝の痛みも忘れてしまいます。

 また最近は、私のマイナス思考がかなりプラス思考になって参りました。そして嫌なことがあっても昔のように、いつまでもいつまでも引きずることが少なくなりました。とりわけ取り越し苦労の数がずいぶん少なくなりました。心が軽くなった分、体も軽くなったような気がします。

 先日田舎の同級生数人と10年ぶりに会い1日を共に過ごしたのですが、翌日電話で「孝子は膝を悪くしたと聞いていたから、よっぽど(しょぼくれて)いるだろうと思っていたら、良い感じに年を重ねているんだね」と褒めてもらいました。本当に「しょぼくれず」に元気で居られるのも、天風会で学んでいるお蔭様と心から感謝でございます。

 そして今はこの学びをさせていただける事に、とても幸せを感じております。
これからも「何事かある人生を」乗り越えて行く為に、どこまで自分を作り変えることが出来るのか、楽しみながら実践を深めて参りたいと思います。
そして宇宙規模の人間観、宇宙生命と私の関係をもっと深く自分のものにして行きたいと思っております。やがてこの学びを多くの方々に、お伝え出来るようになりたいと願っております。

 天風先生と、天風哲学を私にもわかるように教えて下さる講師の先生方に心から感謝を申し上げます。
 同時にここまで導いて下さいました鎌倉賛助会の皆様に、心から感謝を申し上げます。本日はご清聴いただき誠に有難うございました。





















*1: 『まことに自己(おのれ)こそ自己の救護者(すくいて)である。いったい、誰がこの自己の外に救護者となりうるものがあろうか。よく制されたる自己こそ、吾らは他にえがたき救護者を見出すことができる』の意味。仏陀の言葉。
 
  


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